●アサブロに復帰します2018年01月01日

 河合隼雄先生と谷川俊太郎さんの対談(人間の深層にひそむもの)のなかに、
 「書くというのは自分の心のモヤモヤを意識化すること」
という谷川さんの発言があります.


  小西歯科医院のホームページを作り始めてから20年以上の月日が流れていますが、ホームページを書くことで心のモヤモヤを意識にのせることができて、自分自身のバランスを保っていたという部分があったように思います. 

 歯科大学を卒業後いろいろなめぐり会いの中で、歯科の専門雑誌に論文らしきものをたくさん書かせてもらい、 ある編集者との出会いもあって、4冊もの書籍を出版するという幸運にも恵まれました.

 その間、歯科医師会の依頼でDVDを作り、全国の歯科医師会やスタディーグループ、臨床歯周病学会の教育講演や千人近くも集まる業者主催の講演会で話をさせていただく機会もありました.
 そのような発表も実は自分のなかのモヤモヤを意識化する絶好の機会だったことを今さらながら感じています.

 幸か不幸か今年は講演の依頼も執筆の予定も入っていないので、休眠状態だったアサブロに思いつくままを書き連ねることで自分の全体像の回復をはかろうかと考えています. 

 本年もよろしくお願い申し上げます.

●夏休みの読書2014年08月19日

 片山恒夫先生のセミナーに出席して以来、歯周病は“科学の知”に基づく考え方だけでは治せないのではないかと考えてきました.

 現在、歯周炎は多因子性疾患であると考えられており、細菌が原因の一つであることは分っていますが、そのほかの原因は良く分かっていません.
 したがって『原因はこれであるから、こうすれば治る』という科学的思考に基づいた“特定病因説”による治療には限界があるわけです.

 歯周炎に限らず、一般医科でも慢性疾患や精神疾患はどうも“科学の知”だけのアプローチでは“治す”ことができないことが多いようです.

 そんなことをしばらく考えていたので、この夏休みは“科学の知”を補完する“臨床の知”や”神話の知”について勉強してみようと、河合隼雄先生の本に没頭していました.

 「ユング心理学入門」「心理療法序説」の再読からはじめて、「コンプレックス」「無意識の構造」などを精読して、“自我”や“自己”、“コンプレックス”、“影”、“アニマ・アニムス”などの概念を勉強しました.その後、「書物との対話」や「昔話の深層」、「中空構造日本の深層」を読みましたが、とても興味深く、河合ワールドにどっぷりつかっていました.


  河合先生の本に何度も書名の出てくる本があります.ヘルマン・ヘッセの「デミアン」です.デミアンはユング心理学を知ったうえで読むとヘッセの魂の遍歴が分かり、さらにユング心理学もなんとなく分かったような気になってしまいます.


アンデルセン童話「影法師」の挿絵

 

 

 

 ところが、改めてユング心理学を自分の頭できちんと整理しようとしてみると、「影とコンプレックスはどのように違うのだろう」、「影と無意識の関係はどうなっているのだろう」、など判然としないことが噴出してきます.コンプレックスや無意識などユング心理学の用語に関してはある程度知識を得たのかもしれませんが、その全体像を理解したとはとても言えないようです.
 そのことを指摘する一文を「影の現象学」で見つけました.
 そこには、『“影”のみらず“元型”は個人にとってどのように見いだされ、どのように体験されるかが大切なことであり、厳密に定義することができない、知的に議論することは意味がない』ということが書いてありました.
 そして、『“影”は個人に体験されることとしてはまず無意識全体として体験されると言わねばならない』とも.

 私の心の中をさぐり、私自身を知るには、まず影を体験し、さらに分化、深化させせていく必要があるということになります.しかし、その旅は進めば進むほど困難で多くの危険が待ち受けているらしいのですが、そのような深い理解は体験してみなければわからないということになるのでしょう.




●ユングのタイプ2014年05月11日


ユング心理学入門 河合隼雄 培風館
 河合先生のユング心理学入門を読んでいたら“タイプ”のところに次のような逸話が載っていました. 

 ある日、ショーペンハウアーが瞑想に耽ったまま、公園の花壇に入りこんでしまいました.これを見た園丁が、「そこのあなた、自分が何をしているのか分かっているのか、あなたは誰なんだ」と問いただすと、「内向的思考型」の代表、ショーペンハウアーは「ああー、その答えが分かってさえいれば」とつぶやいたそうです.
 「あっ、それ、何かいいな~」と共感してしまうのは、私のタイプが「内向的思考型」だからなのでしょうか?それとも、今の心持が「内向的思考型」にあこがれている状態だからでしょうか?

  ユングは、外向、内向の二つの一般的態度と、思考、感情、感覚、直観の四つの心理機能を結びつけ、人のタイプを八つの基本類型に分類しています.

  外向型の人にとって内向型の人はわけのわからない冷淡な臆病者と見え、逆に内向型は外向型を軽薄で自信過剰な人と感じます.
 
 また同じ音楽好きでも、思考型は「マズルカとワルツの区別もつかなくてショパンが好きとは良く言えたものだ」といい、感情型は「あなたは、音楽そのものより、その分類と解説が得意のようね」と返すことになります.しかし、そう言いながら自分の反対の型の人を恋人や友人に選ぶ傾向も強いとユングは指摘しています.自分と同型の人に対しては深い理解を、反対型の人には抗しがたい魅力を感じるからでしょう.

 “あなたは何型”と人間を標本箱に分類するような安易な性格分類は、問題がありますが、自分自身を内省して、自分の性格を改変し発展させていく方向を見いだすのに自分のタイプを知るのは悪くなさそうです.また苦手な人や何を考えているか良く分からない人を理解しようとするときにも、ユングの“タイプ”は役に立つのではないかと思います.
河合隼雄先生

餅は餅屋2014年04月01日


医療の文明史テキスト、1988年4~6月

 今から20年以上も前の話ですが、NHK教育テレビで「医療の文明史」という番組が放映されました.故中川米造先生が医療の歴史について、12回にわたって講義したものです. 
                
 そのビデオがお久しぶりという感じで本棚の奥から出てきました.
 現在、DVD化しようとビデオキャプチャと悪戦苦闘中ですが、ビデオ自体が劣化しているためか、思うような画像が得られません.でも、貴重な映像なので何とかデジタル化しておこうと思っています. 
                
 中川先生には、保険医療行動学会の帰りの電車でいろいろ教えていただいたことがあります. 

  先生は当時システム手帳を愛用していらっしゃって、何かひらめいたり、ふと思いついたことはすぐ書きとめるようにしていると仰って、その手帳を鞄から取り出して見せてくださいました.
 そして、例えばね、と開いた
ページには、 
「歯磨きで効き腕が分かる」「歯科医」「磨き残し」
と3つのキーワードが並んでいました.
 「これは、今日の昼御飯の時にあなたが教えてくれたことですわ」
と、言ってニコっとされました.
 確かに、その日の昼食時に「右利きの人は右下の犬歯あたりの磨き残しが多い」というようなことを話した覚えがあります.そのことがさっそくステムノートに書き留めてあったわけです.

 数週間後、日本経済新聞の中川先生のコラムに「餅は餅屋」というタイトルで効き腕側の犬歯あたりに磨き残しが多いという話が書かれているのを見つけて、思わず頬がほころんでしまいました.

中川米造先生

backup wizardでロック2014年03月19日

 メインで使っているコンピュータをスタートさせるとすぐbackup wizardの案内が立ち上がります.
 いつもは無視してexitをクリックして通常の作業に入るのですが、昨日はなぜかstartボタンを押してしまいました.
 画面はすぐにbackup wizardに変わったので、バックアップをしようとカーソルを移動しようとしたのですが、マウスポインタが見当たりません.慌ててキーボードを叩いてみましたが、うんともすんともいいません.
 一旦コンピュータを停止して、改めて電源を入れたのですが、また同じ画面が現れてしまいます.思いつく限りのことをやってみましたが、どうしてもそれ以上先に進めません.
 途方にくれてネットで調べてみましたが、あまり的確な答えはありませんでした.
 仕方ないので横文字のサイトもチェックしてみると、それに近いトラブルについて書いてある(らしき)ブログを見つけました.それによるとマウスやキーボードのタイプによって動作しないことがあるということでした.そこで、奥の方から古いマウスを探し出してつなげてみたところ、矢印がぽっかり浮かびあがりました.いやー、助かりました.捨てるのを忘れていたというか、断捨離できずに散らかっていたゴミ同然のものが役に立ちました.
 ここのところコンピュータ関係でトラブルが続きます.
 iphoneやipad、Wi-Fi接続やOSのバージョンアップ、そのたびごとにウロウロしています.
 どこまでついていけるのか先が思いやられます.
http://www.asahi-net.or.jp/~pi5a-kns/